世界中における衛星の需要が少ないのに、世界中の政府が衛星を打ち上げるための「使い捨てロケット」を造るために補助金を出している。衛星打ち上げ産業が過剰供給状態になってきたら、シェアーが50%のヨーロッパの衛星打ち上げ会社のアリアンスペースでもギリギリで生き残っている状態である。
従って、最初からGXは赤字になるのは当たり前だった。これから政府のプロジェクトとして続いても当然赤字である。
世界同時不況寸前と言われているこの状況で、経済成長に貢献するのは最も重要なことである。従って、経済の面から世界中の宇宙産業にとって最も重要となる目標は明白であり、経済貢献を考えれば「打ち上げ費用を大幅に安くカットしなければいけない」ということだ。残念なことに、現在でも宇宙へ行くために一番安いロケットはロシア製ソユーズである。これは60年前にR7として設計され、このロケットで1957年に世界で初めての衛星であるスプートニック号を打ち上げ、世界で初めて宇宙へ行った人のガガーリン氏も1961年に打ち上げた!
それ以後、世界中の宇宙開発に使われた金額は数百兆円なのに、宇宙へ行くための費用はソユーズより安くなっていない!そんな進歩のない半世紀の歴史は、産業の歴史の中に唯一だろう。そしてそのために宇宙活動の需要がほとんどないし、宇宙産業は納税者の終わらない負担として今も続いている。
運よく、この問題への解決は簡単で、安く、分かりやすく、国民に人気で、経済と環境にもいいものであり、その上、日本には優れている能力もある。それは何度も使用できる「再使用型ロケットの開発、サービス」であり、既に小型再使用型ロケットを開発し、1999年からテスト・フライトをやって、それに基づいて弾道飛行型宇宙旅行サービスをできるロケットの設計を行っている。しかし残念なことに十分な開発予算がついていないためまだ実現していない。
20兆円の景気対策をすぐに決めた麻生政権には毎年百億円のプロジェクトは支持しやすいではないか?かなり安いのでGXが続いても、続かなくても、簡単に払える。
麻生政権が今すぐ決めれば、子供達の教育に対してもいい影響は早急に始まる。
3年後、テスト・フライトが始まる。
4年後、研究者は宇宙へ行けるようになる。
5年後、宇宙への弾道飛行用乗客の免許を受ける。
6年後、航空産業のような宇宙への乗客のサービスは始まる。
10年後、一人当たり五十万円まで安くなるので、日本人の誰もが宇宙に行けるようになる。
上記のプロジェクトと同時、軌道まで飛べる大型再使用型ロケットの開発は始まるので、低コストの軌道への乗客サービスの実現も近づく。軌道への乗客用便が始まったら、宇宙旅行産業は21世紀の一番大きくなる新産業になると予測されている。一時的な何兆円の公共工事などの短期的な景気対策に比べて、年に百億円のプロジェクトは規模が小さいわりに、その効果は長期的に経済成長に大いに貢献するので、これより望ましいプロジェクトはない。
なぜまだ実現していないのですか?宇宙政策の責任者は誰もこの考えに反対する者はいないし、そして何も言えない。経済の面から、その価値は現在の宇宙活動より遥かに高い。従って、まだ実現されていないので、抵抗している方々がいるはずであるが、隠れたところで抵抗しているのだろう。抵抗するのであればオープンにその理由を公開すべきである。何故経済に大いに貢献する新産業の設立に抵抗するのか?オープンに説明すれば実現するはずである。